魚醤とは
 
 
魚醤とは魚から作った醤油のことです。旨味は濃厚でありながら臭みがありません。日本では秋田県の「しょっつる」、石川県の「いしる」が有名です。東南アジアでもエスニック料理がブームとなってタイの「ナンプラー」、ベトナムの「ニョクナム」が知られていますが、ちょっと変わったところではイタリアにも魚醤はあって「ガルム」と呼ばれています。パスタソースにガルムを使用するのが今オシャレらしい…。
 魚醤を手作りするのはラーメンに使える魚醤が市販されてないからです。隠し味ではなく、直接料理の味付けに使える魚醤を手に入れるには自分で作るしかなかったからです。原料魚には旨味の多い秋刀魚と鰊(にしん)を使い、美味しい肉の部分だけを使ってラーメンのための魚醤に仕上げました。
ラーメン工房「魚一」(うおっち)店主・吉泉守
 
魚醤の製作過程 取材 地元タウン誌Daisuki緒方
匠の道具
魚醤を作るために特注した店主こだわりの道具の一部
魚醤の材料となるのは秋刀魚とニシン。秋刀魚だけでは魚醤が甘くなりすぎるのだそうだ。魚の内蔵と骨は全て取り除く。手間はかかるが旨味を凝縮するためには欠かせない作業なのだ。このこだわりがあったからオープン4年目突入、顧客も地道に増え続けているのだろう。
塩蔵して脱水、脱血した魚は麹、酵素、ビタミンC、ビタミンEを入れ醗酵させる。酵素と麹はタンパク質を分解させるため。ビタミンCとビタミンEは酸化防止のために添加させるとのこと。
塩蔵した魚から出てきたつゆを捨て、旨味の部分だけを採取し、さらに寝かせて油分と醤油を分離させるのだ。
 
これが 完成品だ。北海の魚から取れた純水魚醤。
透き通った輝きが美しい。
 
下は行程の一部です。冒頭のこだわりの道具が使われています。
 
冒頭の匠の道具を組み立て下の搾り出し器になります。醗酵した魚から一滴残らず絞り出します。
 
ねっ、どうですか。ラーメン工房でしょ。基本ベースから地場産なんです。水産会社に勤め、研究熱心だからこそ、この地場産自家製の魚醤が出来たのです。近郊の方はもとより観光客の方は一食の価値ありではないでしょうか。